着物の記憶 ③正月のウールの着物

着物の記憶

ある年の正月、曽祖母が曽孫たちにウールのアンサンブルを用意してくれていた。

今まで浴衣を用意していてくれたことはあっても、ウールとはいえ、着物は初めてだった。

曽祖母は着道楽でいつも着物をきていたが、何の色を着るか色に対する強いこだわりがあった。

この子はこの色が映える

そんなふうに曽祖母は良く言ったものだった。

曽祖母が私に選んだウールの着物はオレンジと朱色の矢絣だった。私にはオレンジが映えるということらしい。

それに合わせてコーデュロイの赤い足袋が用意してあった。

とても可愛い着物で、その後も初詣などに来て行き、その後は年下の従姉妹にお下がりとして回した。

年下の従姉妹たちもその着物を気に入って、大人になってから、あの可愛いオレンジと朱色の矢絣のウールの話をしたことがある。

従姉妹たちで揃ってウールの着物を着たお正月の数年後、曽祖母は他界した。

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