ある年の正月、曽祖母が曽孫たちにウールのアンサンブルを用意してくれていた。
今まで浴衣を用意していてくれたことはあっても、ウールとはいえ、着物は初めてだった。
曽祖母は着道楽でいつも着物をきていたが、何の色を着るか色に対する強いこだわりがあった。
この子はこの色が映える
そんなふうに曽祖母は良く言ったものだった。
曽祖母が私に選んだウールの着物はオレンジと朱色の矢絣だった。私にはオレンジが映えるということらしい。
それに合わせてコーデュロイの赤い足袋が用意してあった。
とても可愛い着物で、その後も初詣などに来て行き、その後は年下の従姉妹にお下がりとして回した。
年下の従姉妹たちもその着物を気に入って、大人になってから、あの可愛いオレンジと朱色の矢絣のウールの話をしたことがある。
従姉妹たちで揃ってウールの着物を着たお正月の数年後、曽祖母は他界した。


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